泉福寺縁起・本尊・秘仏
1200年以上の歴史を持つ泉福寺
建立は都が長岡京から平安京に移された延暦13年〔794〕とされます。
桓武天皇はその遷幸の際、突然雷雨に見舞われ、あわてて松の木に逃げ込まれました。
激しい落雷の中、松の木の下で天皇は一心に観音経を唱えられ、
そのかいあってか、雷雨はやみ、無事遷都できたといわれています。
このお礼にこの松の木で観音様を刻み、御堂を建立したのが始まりとされています。
泉福寺は洛西観音霊場16番札所(らくさいかんのんれいじょう)です。
洛西観音霊場とは
桂川西岸から西山にかけての地域(旧乙訓郡及び葛野郡に相当)に置かれた観音霊場です。
三十三番までの札所と番外札所三ヶ所の計36寺院(現在は実質35寺院)から構成されます。
洛西三十三観音霊場、また旧称の洛西観音霊場とも呼ばれます。
4年に一度、閏年にご開帳。
秘仏について
鹿の皮の袈裟を着ている為、鹿皮観音(ろくひかんのん)と呼ばれる場合もあります。
「不空」とは信じれば必ず願いが叶い空しい思いをさせない、という意味で、
「羂索」とは古代インドで密猟や戦闘に使われた捕縛用の縄のことです。
そのため名前にはあらゆる人々の悩みを逃がすことなく救済し、
願いを叶えるという意味があります。
十一面観音の2倍のご利益である二十種の功徳(現世利益)と
八種の利益(死後成仏)が得られ、
奈良時代に信仰が盛んであったとされます。
ご利益
健康長寿、病気治癒、財福授与、美しくなる、罪障消滅、 極楽浄土に行けるなどのご利益があるとされています。
本尊(三つ目観音)の像容
※写真は前立仏です。
8本の手と3つの目の像容が基本です。
鹿皮の袈裟をまとっている場合があり、手には羂索、錫杖、蓮華などを持っています。
たくさんの方に三つ目観音様と親しみを込めて呼ばれています。